各時代の大争闘

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われわれに必要なもの

われわれの前にある苦悩と苦悶の時は、疲労と遅延と飢えに耐えることのできる信仰、すなわち、激しく試みられても落胆しない信仰を要求する。その時に備えるために、すべての者に恩恵期間が与えられている。ヤコブは、断固として屈しなかったために勝利した。彼の勝利は、しきりに願い求める祈りに力があるということの実証である。彼のように神の約束をしっかりとつかみ、彼のように熱心で忍耐強い者はみな、彼が勝利したように勝利するのである。自分を捨て、神の前で心を悩まし、神の祝福を求めて熱心に祈り続けようとしない者は、それを受けることができない。祈りによる神との格闘―─このことを知っている人がなんと少ないことであろう。熱烈な願いをもって、心から神によりすがり、全力を注ぎ出す人がなんと少ないことであろう。嘆願者の上に、言葉では表現することのできない絶望の波が押し寄せる時に、確固不動の信仰をもって神の約束にすがる者が、なんと少ないことであろう。 GCJap 719.2

今、少ししか信仰を働かせていない者は、サタンの欺瞞の力と良心を強制する法令の下に屈してしまう危険が多分にある。そして、たとい彼らが試練に耐え得ても、常に神に信頼する習慣を養ってこなかったために、悩みの時には、さらに大きな苦難と苦悩に陥ることであろう。彼らは、自分たちが学ぶことを怠っていた信仰の教訓を、恐るべき失望のもとにあって学ばなければならなくなる。 GCJap 720.1

われわれは今、神の約束を試すことによって、神をよく知らなければならない。天使は心からの熱心な祈りをすべて記録している。われわれは、神との交わりを怠るよりも、利己的な満足を求めることをやめるべきである。神の是認の下にある最低の貧困、最大の自己犠牲は、是認のない富、栄誉、安楽、友情にまさっている。われわれは、時間をかけて祈らなければならない。もしわれわれが世俗のことに心を奪われているならば、主は、金、家屋、肥えた土地などの偶像を、われわれから取り去ることによって、われわれに時間をお与えになるかもしれない。 GCJap 720.2

もし青年が、神の祝福を求めることができる道の他には、どんな道に入ることをも拒むならば、罪に誘われることはない。世界に最後の厳粛な警告を伝える使命者たちが、冷淡で無気力で怠惰な態度でなくて、ヤコブのように、熱烈に、信仰をもって神の祝福を祈り求めるならば、「わたしは顔と顔をあわせて神を見たが、なお生きている」と言うことのできる多くの場所を見いだすであろう(創世記32章30節)。天は彼らを、神と人とに勝つ力をもった王子たちとみなすのである。 GCJap 720.3