各時代の大争闘

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教会と国家の一致

神は決して意志や良心を強制されない。しかし、他の方法で誘惑できない者を自分の自由にしようとするサタンの常套手段は、残酷な強制である。サタンは、脅迫と強制によって良心を支配し、自分に服従させようと努める。それを実現するためには、宗教と政治の当局を通じて働き、神の律法に反抗して人間の法律を強制するよう働きかける。 GCJap 686.1

聖書の安息日をあがめる者は、法と秩序の敵であり、社会の道徳的抑制を破り、無政府と堕落とを引き起こし、神のさばきを地上に招く者であるといって攻撃される。彼らの良心的な信念は、強情、頑迷、権威に対する侮蔑であると宣告される。彼らは政府に対して忠誠を尽くさないといって告発される。神の律法への義務を否定する牧師たちは、国家の権威に服従する義務は神によって定められたものであると講壇から主張する。立法府や裁判所においては、神の戒めを守る者たちについて虚偽の訴えがなされ、有罪の宣告がくだされる。彼らの言葉は誤って解釈され、彼らの動機は最も悪質なものに作りあげられる。 GCJap 686.2

プロテスタントの諸教会が、神の律法を擁護している明白な聖書の論拠を退ける時、彼らは、聖書によっては覆すことのできないような信仰を持った人々を、沈黙させたいと望むであろう。彼らは目を覆って事実を見ようとしないが、実は、彼らはほとんどのキリスト教界が行っていること、つまり法王教の安息日の要求を認めることを、良心的に拒否する人々を迫害するようになる道を選びつつあるのである。 GCJap 686.3

教会と国家の高官たちは、すべての階級の人々に日曜日を尊重させるために、結束して買収や説得や強制を行うであろう。神の権威の欠如は、圧制的な法令によって補われる。政治的腐敗は、正義を愛し真理を尊ぶ思いを破壊しつつある。そして自由の国アメリカにおいてさえ、為政者や議員たちは民衆の歓心を買うために、日曜日遵守を強制する法律を求める大衆の要求に屈服する。非常に大きな犠牲を払って得られた良心の自由は、もはや尊重されなくなる。まもなく起ころうとしている争闘において、われわれは預言者の言葉の成就を見るのである。「龍は、女に対して怒りを発し、女の残りの子ら、すなわち、神の戒めを守り、イエスのあかしを持っている者たちに対して、戦いをいどむために、出て行った」(黙示録12章17節)。 GCJap 687.1