各時代の大争闘
第32章—悪魔のわな
サタンの妨害
約六千年近くも続けられてきたキリストとサタンとの間の大争闘は、まもなく終わる。そこでサタンは、キリストが人間のためにしておられる働きを妨げる努力を倍加し、魂を彼のわなの中に捕らえておこうとする。救い主の仲保の働きが終わり、もはや罪のための犠牲がなくなってしまうその時まで、人々を悔い改めさせず、暗黒の中に閉じこめておくことが、サタンのめざすところである。 GCJap 598.1
サタンの権力に抵抗しようとする特別の努力もなく、教会と世の中に無関心の状態がみなぎっていれば、サタンは別に気にとめないのである。というのは、彼は自分がその意のままに捕らえている者たちを失う危険がないからである。ところが、人の心が永遠の事柄に向けられ、「わたしは、救われるために、何をすべきでしょうか」と魂が叫ぶ時、サタンはキリストの力に抵抗し、聖霊の感化を妨害しようと動き始める。 GCJap 598.2
ある時、神の天使たちが主のみ前に立った時、サタンもその中にあらわれたと聖書に記されている(ヨブ記1章6節参照)。それは、永遠の神のみ前にひざまずくためではなく、義人に対する悪意あるたくらみを進めるためであった。同じ目的をもってサタンは、人々が神の礼拝のために集まる時にその場にあらわれるのである。目にこそ見えないが、サタンは礼拝者たちの心を支配するため、一生懸命に働いている。サタンは、老練な将軍のように、前もって計画を立てる。神の使命者が聖書を調べているのを見ると、どのような使命が人々に語られるかに注意する。そして、その点について彼が欺いている人々に、その使命を聞かせないように、あらゆる巧妙な策略を用いて、事情を支配しようとする。ぜひともその警告を聞かねばならない人々が、何かの重要な商用のために出向かなければならないようにしたり、あるいは、何か他の方法で、いのちからいのちに至らせる香りとなるみ言葉を聞くのを妨げるのである。 GCJap 598.3
またサタンは、神のしもべたちが人々の霊的暗黒に心を悩ましているのを見る。そして彼らが、冷淡、不注意、怠惰などの魔力から逃れられるように、神の恵みと力とを熱心に祈り求めているのを聞く。すると彼は、熱心さを盛りかえして策動する。すなわち、人々に食欲をほしいままにさせたり、または、何か他のことで放縦な生活をさせたりして知覚を麻痺させ、彼らが最も学ばなければならないことを聞かせないようにしてしまうのである。 GCJap 599.1