各時代の大争闘
兄弟を訴える者
人々に祈りを怠るようにさせ、聖書の研究もなおざりにするようにさせておけば、だれでも彼の攻撃に打ち負かされてしまうことを、彼はよく知っている。そのため、彼は、あらゆる策略をめぐらして、人心を夢中にさせるものを考案する。神を信じると言いながら、真理の研究を続けないで、自分と意見の合わない人々の人格の欠点とか信仰上の誤りとかを指摘することを自分の義務であるかのように思っている人々が、いつもいるものである。こうした人々は、サタンの右腕ともいうべきである。兄弟を訴える者たちは、決して少なくはない。神が働いておられ、神のしもべたちが真心から神をあがめている時、彼らも休みなく活動している。彼らは、真理を愛し真理に従っている者の言行を、全くそうでないかのように誤り伝え、どんなに熱心でまじめな、自己犠牲的なキリストのしもべたちをも、欺かれた者であるとか、人を欺く者であるとかいうのである。どんなに誠実で気高い行為の動機も、真実を曲げて非難し、未経験な者の心に疑惑の念を起こさせる。彼らは、あらゆる策を用いて、純潔で正しい者を、不潔で欺瞞的な者であると思わせる。 GCJap 599.2
しかし、彼らについてだれも欺かれる必要はない。彼らが、だれの子らであって、だれの模範に従い、だれの業をしているかは、すぐにわかるのである。「あなたがたは、その実によって彼らを見わけるであろう」(マタイ7章16節)。彼らの行為は、毒舌をもって「兄弟らを訴える者」であるサタンの態度と似ている(黙示録12章10節)。 GCJap 600.1
大欺瞞者サタンは、魂をわなに落ち込ませるために、あらゆる種類の誤りを伝えるように多くの手下を持っている。すなわち、滅びに陥れようとしている人々のそれぞれの好みや能力に適した種々の異端を用意している。サタンは、教会の中に不まじめで悔い改めていない分子を入りこませて、疑惑と不信の念を助長させ、神の働きの進展を見たいと望み、自らも共に進歩したいと望む者たちの邪魔をする。神と神のみ言葉に対する真の信仰はないのに、真理のいくつかの原則に同意し、クリスチャンとして通用している人が多い。こうして彼らは、彼らの誤りを聖書の教理として人々に伝えるのである。 GCJap 600.2