各時代の大争闘

320/453

反逆の結果

罪を取り扱われるにあたって、神は義と真実だけをお用いになることができた。サタンは、神がお用いになることのできないもの、すなわち追従と欺瞞とを用いることができた。彼は神のみ言葉を偽り、神の統治の計画を天使たちの前に間違って伝え、神が天の住民のために律法と規則を定められたのは正しくない、また神が被造物から服従と従順とを要求されるのは、ただ神がご自身を高めるためであると主張した。そこで、すべての世界の住民はもちろん、天の住民の前に、神の統治が正しく、神の律法が完全であることが実証されねばならなかった。サタンは、自分こそ宇宙の幸福を増進しようとしているのだと見せかけていた。この横領者の本性、彼の真の目的を、すべての者にわからせねばならなかった。彼がその邪悪な業によって本性を暴露するまで、時間を与えねばならなかった。 GCJap 573.2

サタンは、彼自身が天に引き起こした不和を、神の律法と統治のせいにした。すべての悪は、神の政治の結果であると彼は断言した。彼は、神の法令を改正するのが自分の目的であると主張した。そこで彼に、自分の主張の内容を証明させ、彼がもくろんでいる神の律法の変更の結果がどうなるかを示させる必要があった。彼自身の行為が彼を罪に定めるのでなければならなかった。サタンは初めから、自分は反逆しているのではないと主張していた。全宇宙はこの欺瞞者の仮面がはがれるのを見なければならないのであった。 GCJap 574.1

サタンをこれ以上天にとどめておくべきではないと決定された時でさえ、無限の知恵にいます神は、サタンを滅ぼされなかった。ただ愛の奉仕だけが神に受け入れられるのであるから、神に対する被造物の忠誠は、神の公義と慈愛とに対する確信に基づかねばならない。天と他世界の住民たちは、まだ罪の本性とその結果を理解する用意ができていなかったので、サタンを滅ぼしてしまったら、神の正義と憐れみとを認めることができなかったであろう。もしサタンの存在がたちまち抹殺されてしまったら、彼らは愛よりもむしろ恐怖から神に仕えたであろう。欺瞞者の感化を完全に滅ぼすことも、反逆の精神を根絶することもできなかったであろう。悪は十分に成熟させねばならなかった。永遠にわたる全宇宙の幸福のために、サタンの原則を十分に発揮させてみる必要があった。それは、すべての被造物が、神の統治に対するサタンの非難の真相を知り、神の公義と憐れみ、また神の律法の不変性が、永遠に疑問の余地なきものとなるためであった。 GCJap 574.2

サタンの反逆は、きたるべきすべての時代にわたって、全宇宙にとって一つの教訓、すなわち罪の本性とその恐ろしい結果についての永久的なあかしとなるのであった。サタンの支配がもたらすもの、人と天使たちに及ぼすその影響は、神の権威を無視することがどんな結果になるかを示すのであった。それはまた、神のお造りになったすべての被造物の幸福は、神の統治及びその律法の存在と切っても切れない関係にあるということを証明するのであった。 GCJap 575.1

このようにして、この恐るべき反逆の実験の歴史は、すべての聖なる知者たちにとっての永久的な保障となり、彼らが不法の性質についてだまされることがないようにし、彼らが罪を犯してその刑罰を受けるようなことがないようにするのであった。 GCJap 575.2