各時代の大争闘
恐怖の時代
「最も凶悪な裁判官が最も残忍な法典を執行する時、極刑の危険を冒さずには……隣人とのあいさつも祈りもできない時、密偵が至るところにひそんでいる時、ギロチンが毎朝忙しく長時間動く時、牢獄が奴隷船の船倉のように満員の時、下水が血であわ立ってセーヌ川に流れる時、このような時が到来した。……パリでは毎日、処刑を受ける人々を満載した護送車が通りを通過している時に、最高委員会によって派遣された地方の総督たちは、首都パリでさえ行われたことのないような残虐行為を行った。彼らの殺人のためには、恐ろしい機械の刃が上り下りするのでは遅すぎた。数珠つなぎにされた囚人たちが、ブドウ弾でなぎ倒された。 GCJap 326.1
満員のはしけの底に穴が開けられた。リヨンは荒れ地と化した。アラスでは、すぐに殺すという残酷な憐れみさえ囚人たちに与えられなかった。ロアール川沿岸では、ソーミュールから海まで、二人ずつ忌まわしい抱擁をさせた裸の死体を、カラスやトビの大群の餌食にした。女も年寄りも容赦なく殺された。のろわしい政府に殺された一七歳の少年少女の数は数百もあった。母の乳房からもぎ取られた赤ん坊は、ジャコバン党員のほこ先からほこ先へと投げ渡された」。わずか一〇年の間に、おびただしい数の人間が殺された。 GCJap 326.2
これはみな、サタンの望むところであった。これはサタンが、幾時代にわたって確保しようとしてきたことであった。彼の策略は、初めから終わりまで欺瞞であって、彼の不動の目的は、人間の世界に不幸と悲惨をもたらし、神のみ業を傷つけ、汚し、神の慈悲と愛のみこころを台無しにし、こうして天を悲しませようとすることにある。こうしてサタンは、その欺瞞的な方法によって人の心を盲目にし、これらすべての不幸が創造主の計画の結果であるかのように考えさせて、彼の働きを神のせいだと思わせようとするのである。同様に、彼の残酷な力によって堕落し、残忍になった者たちが自由を得ると、サタンは彼らに、極端で非道なことを行わせる。すると暴君や圧制者は、この無軌道な放縦を、自由の結果が何であるかを示す好例であるというのである。 GCJap 326.3
サタンは、一つの扮装の誤りが見破られると、また別の仮面をかぶってあらわれ、群衆は前と同様に熱狂してこれを迎える。ローマ・カトリック教が欺瞞であることが人々にわかり、これを用いて人々に神の律法を犯させることができなくなると、サタンは、すべての宗教は人をまどわすものであり、聖書は作り話であると主張した。そして彼らは、神の律法を放棄して、無軌道な罪の生活に陥った。 GCJap 327.1