各時代の大争闘
真理拒否の結果
フランスの国民をこのような悲惨な状態に陥れた致命的誤りは、真の自由は神の律法の範囲内にあるという一大真理を無視したためであった。「どうか、あなたはわたしの戒めに聞き従うように。そうすれば、あなたの平安は川のように、あなたの義は海の波のように」なる。「主は言われた、『悪い者には平安がない』と」「しかし、わたしに聞き従う者は安らかに住まい、災に会う恐れもなく、安全である」(イザヤ書48章18、22節、箴言1章33節)。 GCJap 327.2
無神論者、不信仰者、背教者たちは、神の律法に反対し非難を向けるが、彼らのもたらす結果を見るならば、人類の幸福は神の律法に服従することにあることがわかるのである。神の書から教訓を読み取ろうとしない者は、諸国の歴史の中にそれを読み取るように命じられている。 GCJap 327.3
サタンが、ローマ教会を通じて人々を神にそむかせた時、彼の活動は隠されていた。そして、彼の働きは巧みに偽装されていたので、その結果起こった堕落と不幸は、罪を犯した結果であるとは思われなかった。また、彼の力は、これまで神の聖霊の働きによって妨げられ、十分に実を結ぶに至っていなかった。人々は原因を探ることをせず、彼らの不幸の源を見いださなかった。しかし、革命が起こり、議会は公然と神の律法を廃した。そして、それに続いた恐怖時代に、その原因と結果がすべての者に明らかとなった。 GCJap 327.4
フランスが公然と神を拒み、聖書を放棄した時、悪人たちと暗黒の霊とは、彼らが長く望んでいた目的を達成して喜んだ。それは、神の律法の制限を受けない国であった。悪の行為に対する判決が、速やかに執行されないために、人の子らの心は「もっぱら悪を行うことに傾いている」(伝道の書8章11節)。しかし、公正で義である律法を犯すならば、その結果は必然的に不幸と破滅である。人間の悪事は、直ちに罰が与えられないにしても、必ず破滅をもたらすのである。幾世紀にもわたる背信と罪悪は、報復の日の神の怒りを蓄えてきた。そして、彼らの罪が満ちた時に、神を軽蔑した人々は、神の忍耐が尽き果てることがどんなに恐ろしいことであるかを知ったのであるが、時はすでに遅かった。 GCJap 328.1
サタンの残酷な力を抑えていた神の霊の抑制力が、大半取り除かれた。そして、人々を不幸にすることだけを喜びとしているサタンのなすがままになった。反逆に荷担した者は、その実を刈り取った。そして地はついに筆紙に尽くし得ない恐ろしい犯罪で満たされた。荒廃した地方や破壊された都市から、恐ろしい叫び、耐えがたい苦悩の叫びがあがった。フランスは、地震で震動するかのように揺れ動いた。宗教、法律、社会秩序、家族、国家、そして教会などすべてのものが、神の律法に反抗してあげられた邪悪な手で打ち倒された。賢者は実にこう語った。「悪しき者は、その悪によって倒れる」「罪びとで百度悪をなして、なお長生きするものがあるけれども、神をかしこみ、み前に恐れをいだく者には幸福があることを、わたしは知っている。しかし悪人には幸福がない」(箴言11章5節、伝道の書8章12、13節)。「彼らは知識を憎み、主を恐れることを選ばず」「自分の行いの実を食らい、自分の計りごとに飽きる」(箴言1章29、31節)。 GCJap 328.2