各時代の大争闘

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恐るべきパノラマ

記録の書が開かれ、イエスの目が悪人たちの上に注がれるや否や、彼らはこれまでに犯した罪の一つ一つを意識する。彼らは、自分たちがどこで純潔と聖潔の道から足を踏みはずしたか、高慢と反逆のためにどんなに神から離れてその律法を犯したかということを悟る。罪にふけることによって誘惑をますます魅力的にしたこと、祝福を悪用したこと、神の使者たちを軽蔑したこと、警告を拒んだこと、神の恩恵を、頑固な悔い改めない心で拒絶したこと―─すべてのことが、ちょうど火の文字で書かれているかのようにあらわされる。 GCJap 772.1

み座の上に十字架があらわされる。そしてちょうどパノラマの光景のように、アダムの誘惑と堕落の場面、救いの大いなる計画における一歩一歩が、次々に示される。救い主が卑しい身分としてお生まれになったこと、質素で従順なその幼年時代、ヨルダン川でのバプテスマ、断食と荒野の試み、天の最も尊い祝福を人々に示されたその公生涯、愛と恵みの行為に満ちた日々、さびしい山の中での夜通しの祈り、恵みの行為に対して嫉妬と憎悪と悪意とによる陰謀をもって報いられたこと、全世界の罪の重荷に押しつぶされそうなゲッセマネにおける恐るべき神秘的な苦悩、残忍な暴徒の手に売り渡されたこと、あの恐怖の夜の恐ろしい諸事件、すなわち一番愛された弟子たちにも捨てられ、無抵抗の囚人として、荒々しくエルサレムの通りを引き立てられて行ったこと、神のみ子がアンナスの前で手柄顔に見せ物にされ、大祭司の邸宅とピラトの法廷で審問を受け、卑怯で残酷なヘロデの前で嘲笑され、侮辱され、拷問を受け、ついには死罪の宣告を受けられたこと、―─こうしたすべてのことが、ありありと描き出される。 GCJap 772.2

そして今、動揺する群衆の前に、最後の光景があらわされる。すなわち、苦難を耐え忍ばれる主が、カルバリーへの道をたどっていかれる姿、天の大君が十字架につけられ、高慢な祭司たちや嘲笑している暴徒たちが、息もたえだえの神のみ子の苦悩をあざけっている光景、超自然的な暗黒、世の救い主が息を引き取られた瞬間に、地が揺れ動き、岩が裂け、墓が開いたことなど、そうした最後の光景が示されるのである。 GCJap 773.1