各時代の大争闘
天使による守り
天の歩哨たちは、忠実に任務に服し、警戒を続ける。戒めを守る人々を死刑にするという全般的布告は、その日時を定めているにもかかわらず、敵たちは、ある場合には法令の時期を早めて、定められた時よりも前に彼らの命を取ろうとする。しかし、すべての忠実な人々のまわりに駐屯している力強い警護者たちを通り過ぎることは、だれにもできない。 GCJap 731.2
なかには、町や村から逃げる途中に襲われる者たちもいる。しかし、彼らに向かってあげられた剣は、折れてわらのように力なく落ちる。また他の者たちは、軍人の姿をした天使たちによって守られる。 GCJap 731.3
いつの時代においても、神は、聖天使たちによって、神の民を救出し解放してこられた。天使たちは、人間の事柄に活発に関与してきたのである。彼らはいなずまのように輝く衣を着てあらわれた。彼らは旅人の身なりをした人間としてやってきた。天使たちは人間の姿をとって、神の人たちにあらわれた。彼らは、疲労しているかのように、昼ごろ樫の木の下で休んだ。彼らは、人々の家庭でもてなしを受けた。彼らは行き暮れた旅人の案内をした。彼らは、自分たちの手で、祭壇に火を点じた。彼らは牢獄の扉を開いて、主のしもべたちを自由にした。彼らは天の武具を身につけて、救い主の墓から石を転がすためにやってきた。 GCJap 732.1
天使たちは、しばしば、人間の姿をとって、義人たちの集まりの中にいる。また彼らは、ソドムにやってきたように、悪人たちの集まりを訪れて、彼らの行為を記録し、彼らが神の忍耐の限界を越えたかどうかを決定するのである。主は憐れみを喜ばれる。それゆえに、真心から主に仕えるわずかの者のために、災害を抑制し、多くの人々の平穏な生活を引き延ばしておられるのである。神にそむく罪人たちは、自分たちがあざけり圧迫している少数の忠実な人々のおかげで、自分たちは生きていられるのだということに、少しも気づいてはいないのである。 GCJap 732.2
この世の統治者たちは知らないでいるが、彼らの会議において、しばしば天使が演説者であった。人間の目が彼らを眺め、人間の耳が彼らの訴えを聞いた。人間のくちびるが彼らの提案に反対し、彼らの勧告をあざけった。人間の手が彼らを侮辱し乱暴を働いた。議会や法廷において、これら天の使者たちは、人類歴史に精通していることを示した。彼らは、最も有能で最も雄弁な弁護者よりも巧みに、圧迫された人々のために訴えることができたのである。彼らは、神の働きをはなはだしく遅延させ神の民を非常な苦しみに陥れるような策略を挫折させ、害悪を阻止した。危機と苦難の時に、「主の使は主を恐れる者のまわりに陣をしいて彼らを助けられる」のである(詩篇34篇7節)。 GCJap 732.3
神の民は、熱烈な渇望をいだいて、きたるべき彼らの王のしるしを待望する。「今は夜のなんどきですか」と、夜回りが問われると、なんのためらいもなく「朝がきます、夜もまたきます」と答える(イザヤ書21章11、12節)。山頂の雲間に光がきらめいている。やがて、主の栄光があらわれる。義の太陽がまさに輝き出ようとしている。朝と夜がともに近づいている。それは、義人には、永遠の昼の開始であり、悪人には、永遠の夜の幕がおろされる。 GCJap 733.1