各時代の大争闘

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法王制の本質

ローマ・カトリック教会の中に真のキリスト者たちがいることは事実である。この教会の幾千の者は、自分たちに与えられている最善の光に従って神に仕えている。彼らは、神の言葉を手に入れることが許されていない。だから彼らは、真理に気がつかないのである。彼らは、生きた、心からの奉仕と、単なる形式や儀式の繰り返しとの間の、著しい相違に気づいたことがなかった。うわべだけの、満たされない信仰の中で教育されたこれらの人々を、神はやさしい憐れみをもってごらんになる。神は、彼らをとりまいている濃い暗黒に光が射し込むようにされる。神がイエスのうちにある真理を彼らに示されるので、やがて多くの者が神の民と共に立つのである。 GCJap 655.1

しかし一つの制度としてのローマ・カトリックは、この教会の歴史上のどの時代においてもそうであったように、今日でもキリストの福音と調和するものではない。プロテスタント教会は大いなる暗黒の中にある。そうでなければ、彼らは時のしるしを見分けるはずである。ローマ教会の計画や運営方式には遠大なものがある。この教会は、再び世界を支配するために、また迫害を復活させるために、またプロテスタントが行ったすべてのことを無効にするために、激しい決定的な戦いの準備として、その感化力を広げ、その勢力を強めようと、あらゆる手段を用いている。カトリック教は至るところに地歩を占めつつある。プロテスタント諸国において、カトリックの教会や礼拝堂が数を増しているのを見られよ。 GCJap 655.2

米国において、カトリック教の大学や神学校が人気を集め、プロテスタントに広く後援されているのを見られよ。英国における儀式主義の発展や、カトリック教会へ入るために新教から脱落する者が多いことを見られよ。こうした事柄は、福音の純粋な原則を尊ぶすべての者が憂慮しなければならないことである。 GCJap 655.3

プロテスタントは法王制によけいな手出しをし、後援してきた。彼らは、法王教徒自身が見て驚き、理解しかねるような妥協と譲歩をしてきた。人々は法王制の真の性格、またこの教会が支配権を得た時心配される危険に対して目を閉じている。政治的また宗教的自由に対するこの最も危険な敵の進出に反対するように、人々は目覚める必要がある。 GCJap 655.4