各時代の大争闘
『抗議書』の提出
諸侯は、フェルディナントが彼らの良心の確信を認めなかったので、彼の退席を意に介さず直ちに議会に彼らの『抗議書』を提出することにした。そこで、厳粛な宣言が作成されて、議会に提出された。 GCJap 233.4
「われわれは、われわれの唯一の創造主、維持者、贖罪主、救い主、また、われわれの審判者となられる神、および、全人類と全被造物の前で、抗議を提出する。われわれは、われわれとしても国民としても、その法令の中で、神に反し、神のみ言葉、われわれの正しい良心、われわれの魂の救いに反することには、絶対に同意支持することはできない」 GCJap 234.1
「われわれがこの勅令を承認することなどできようか。全能の神が、人間に神の知識を示されるにもかかわらず、人間は神の知識を受けることはできないなどということがあり得ようか」「神の言葉に一致するもの以外に、確かな教義はない。……主は、その他の教義の宣布を禁じられる。……聖書は、他の、より明白な聖句によって説明されるべきである。……この聖書は、すべてのことにおいてキリスト者に必要なものであり、理解しやすく、暗黒を撃退するためのものである。われわれは、神の恵みによって、旧新約聖書各巻に含まれている神の言葉だけの純粋独特の説教を維持し、それに反するどんなものをも付加しないことを決意している。この言葉が唯一の真理である。これが、すべての教義と人生全般の確かな規準である。それは決してわれわれを失望させたり、欺いたりしない。この基礎の上に築くものは、黄泉のすべての力に立ち向かうことができるし、他方それに対抗して立てられたあらゆる人間的栄華は、神の前に崩れ落ちるのである」 GCJap 234.2
「このような理由のもとに、われわれは、課せられた束縛を拒否する」「同時に、われわれは、皇帝が、何よりも神を愛するキリスト者君主として、われわれを遇されることを期待する。そうすればわれわれは、あなたがた恵み深き諸侯に対すると同じく、われわれの正当当然の務めである愛情と服従のすべてを、喜んで皇帝に表明することを宣言するものである」 GCJap 234.3
議会は、深い感動を受けた。その大多数は、抗議者たちの大胆さを見て、驚きと恐れとに満たされた。将来は、波乱と不安に満ちているように思われた。不和、争闘、流血は不可避に思われた。しかし改革者たちは、彼らの運動が正しいことを確信し、全能の神のみ手にすがり、「勇気と堅い決意に満ちて」いた。 GCJap 235.1