患難から栄光へ

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苦難の旅

パウロの後半生は旅に出て旅に終わった。山頭火は「この道をゆく、この道をゆくしかないわたしである」と書いたが、パウロの旅も同じようにきびしく、苦難に満ちていた。それは誰でもたどれる道ではなかった。あるとき、彼は自分がたどってきた道をふりかえって次のように手紙に書いた。 AAJ 6.2

「投獄されたこともかなりの回数に及び、むち打たれたことは数えきれず、何度も何度も死に直面しました。ユダヤ人から、三十九回の恐ろしいむち打ちの刑を受けたことが五度あります。それから、むちで打たれたことが三度、石で打たれたことが一度、難船したことが三度、一昼夜、海上を漂ったことが一度あります。幾度も長い苦しい旅をし、川がはんらんしたり、強盗に襲われたり、同国人からも外国人からも迫害されたりして、何度も危険な目に会いました。町々では 暴徒に取り囲まれ、荒野や嵐の海でやっと命びろいしたこともあります。クリスチャンだと自称しながら、実はそうでない人たちに苦しめられたこともあります。疲れ果て、苦しみ、たびたび眠れない夜を過ごしました。飢え渇き、食べ物もなく過ごしたことも、しょっちゅうです。また服もなく、寒さに震えていたこともありました。 AAJ 6.3

こんなことのほかに、絶えず、諸教会がどうなるかという心配をかかえています。誤った道を進んでいる人を見て、悲しまないでいられるでしょうか。倒れている人を見て、知らん顔ができるでしょうか。精神的に痛手を受けている人を見て、傷つけた相手を激しく怒らずにいられるでしょうか。」1 AAJ 7.1