患難から栄光へ

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臆病者から指導者へ

イエスの弟子たちはイエスを理解していなかった。彼らはイエスが逮捕されたときイエスを見捨てて逃げてしまった。彼らはイエスと生活を共にして、イエスに最も近い弟子であることを自認していたのに、彼らが属する下層民の他のものたちと同じく、現世利益を求め、表面的な風潮に従い、日和見的であった。 AAJ 3.1

ところが、イエスの十字架のあとしばらくして、これらの弱く、頼りない弟子たちが、人間が変わったように堂々と立ちあがったのである。彼らはこの新しい宗教団体に加えられた迫害の嵐の中に、次々と殉教しながら、偉大な精神的指導者の足跡を残したのである。 AAJ 3.2

無力な弟子たちを精神的指導者に変えたのは復活したイエスとの出会いであった。イエスは十字架の苦難を受けたが、三日目に甦り、弟子たちに栄光の姿を現わされた。この神の奇跡を経験して、弟子たちも変えられたのである。それは一つの衝撃とも言える出来事であった。キリスト信徒たちは、甦ったキリストに神の救いの力を見た。日毎に、多くの民衆が新鮮な期待をもって、イエスの弟子の群れに加わった。 AAJ 3.3