各時代の大争闘
ヒエロニムスの協力
しばらくして、プラハの騒動がおさまったので、フスはベツレヘム礼拝堂に帰り、これまで以上の熱心と勇気をもって神のみ言葉を説き続けた。彼の敵たちは活動的で強力であったが、王妃や多くの貴族たちは彼の味方であった。そして、多くの人々が彼の側についた。彼の純粋で高尚な教えや清い生活を、ローマ教会司祭の説く腐敗した教義や、彼らが行っている貪欲や放蕩と比較して、多くの者はフスの側につくことを名誉とした。 GCJap 118.2
この時まで、フスは単独で働いてきた。しかし今、英国にいた時ウィクリフの教えを受け入れていたヒエロニムスが、改革事業に加わった。それから後、二人は一つとなって働き、死ぬ時も別々でなかった。輝かしい天才、雄弁、学識など、人々の人気を呼ぶ賜物は、ヒエロニムスが著しく所有していた。しかし、品性の真の力を構成する特質においては、フスの方がさらに偉大であった。彼の冷静な判断は、ヒエロニムスの衝動的精神を抑える役を果たした。ヒエロニムスは、謙遜に、彼の真価を認めて、その勧告に従った。彼らの一致した働きによって、改革事業は一段と急速に発展した。 GCJap 118.3
神は、これら選ばれた人々の心に大きな光を与え、ローマの誤りの多くをお示しになった。しかし彼らは、世に示すべき光を全部受けたのではなかった。これらご自分のしもべたちによって、神は人々をローマ教の暗黒から導き出しておられたのである。しかし、彼らは、さまざまの大きな障害に直面しなければならなかった。神は、彼らが耐えられるだけ、一歩ずつ、お導きになった。彼らはすべての光を一時に受ける用意がなかった。長い間暗黒の中にいたものが、真昼の太陽の輝きを受けるのと同じように、もしすべての光が一度に示されたならば彼らは目をそむけたに違いない。それゆえに神は、人々に受け入れられるだけの程度に従って、少しずつ光を指導者たちに示されたのである。世紀を追って、他の忠実な働き人たちがあらわれ、人々をなおいっそう、改革の道に導いた。 GCJap 119.1