各時代の大争闘

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刑罰と滅びの時

サタンは、神の正義を認めて、キリストの主権の前にひれふさずにはいられなかったにもかかわらず、彼の品性は元のままである。反逆の精神は、奔流のように、再び爆発する。狂気の思いに満たされて、彼は大争闘に負けまいと決心する。天の王に対して最後の必死の戦いをする時が来た。彼は部下たちの真ん中に飛び込んで行って、自分自身の怒りを彼らに吹き込み、直ちに戦いに奮起させようとする。 GCJap 777.3

しかし、サタンが反逆におびき入れた無数の群衆の中で、サタンの主権を承認する者は一人もいない。サタンの権力は終わりを告げたのである。悪人たちは、サタンを奮起させたのと同じ神に対する憎悪の念に燃えているが、しかし自分たちの立場が絶望的であることと、主に勝つことができないこととを知っている。彼らの怒りはサタンと、サタンの欺瞞の手先であった者たちとに向けられる。彼らは悪鬼のような怒りに満たされて、彼らにとびかかる。 GCJap 778.1

主はこう言われる、「あなたは自分を神のように賢いと思っているゆえ、見よ、わたしは、もろもろの国民の最も恐れている異邦人をあなたに攻めこさせる。彼らはつるぎを抜いて、あなたが知恵をもって得た麗しいものに向かい、あなたの輝きを汚し、あなたを穴に投げ入れる」「このゆえに、おおうことをなすところのケルブよ、われ……火の石の間より汝を滅ぼし去るべし……われ汝を地になげうち汝を王たちの前に置きて観物とならしむべし……汝を見る者の目の前にて汝を地に灰となさん……汝は人のおそれとなり、限りなくうせはてん」(エゼキエル書28章6~8節、16~19節、文語訳)。 GCJap 778.2

「すべて戦場で、歩兵のはいたくつと、血にまみれた衣とは、火の燃えくさとなって焼かれる」「主はすべての国にむかって怒り、そのすべての軍勢にむかって憤り、彼らをことごとく滅ぼし、彼らをわたして、ほふらせられた」「主は悪しき者の上に炭火と硫黄とを降らせられる。燃える風は彼らがその杯にうくべきものである」(イザヤ書9章5節、34章2節、詩篇11篇6節)。火が天の神のみもとからくだる。地はくずれる。地の深いところに隠されていた武器が引き出される。焼き尽くす炎が、地のすべての裂け目から吹き出す。岩石そのものが火になる。「炉のように燃える日」が来たのである。「天体は焼けてくずれ、地とその上に造り出されたものも、みな焼きつくされる」(マラキ書4章1節、ペテロ第二・3章10節)。地の表面は、ちょうど溶けたかたまり、巨大な沸騰する火の池のように見える。それは神を敬わない者たちの、刑罰と滅びの時である。「主はあだをかえす日をもち、シオンの訴えのために報いられる年をもたれる」(イザヤ書34章8節)。 GCJap 778.3

悪人はこの地上で報いを受ける。「万軍の主は言われる、見よ、炉のように燃える日が来る。……その来る日は、彼らを焼き尽して、根も枝も残さない」(マラキ書4章1節)。一瞬のうちに滅ぼされる者もあり、多くの日の間苦しむ者もある。みな「彼らの行いにしたがって」罰せられる。義人の罪はサタンに移されたので、サタンは自分自身の反逆の罪だけでなく、神の民に犯させたすべての罪のために苦しむ。彼の受ける刑罰は、彼がだました者たちの刑罰よりずっと重い。サタンの欺きによって堕落した者たちがすべて滅びた後も、彼はまだ生き残って苦しみを受ける。きよめの火によって、悪人たちは根も枝もついに滅ぼされた。サタンが根であり、サタンに従う者たちが枝である。律法の刑罰は全部くだり、正義の要求は果たされた。天と地はこれを見て、主の義を宣言する。 GCJap 779.1

サタンの破壊の働きは、永久に終わりを告げた。六千年の間、彼は自分の意志を実行し、地を災いで満たし、全宇宙を悲しませてきた。被造物全体が共にうめき、共に産みの苦しみをしてきた。今や神の被造物は、サタンの存在と誘惑から永久に解放された。「全地はやすみを得、穏やかになり、ことごとく声をあげて歌う」(イザヤ書14章7節)。賛美と勝利の歌が、忠誠な全宇宙からわき起こる。「大群衆の声、多くの水の音、また激しい雷鳴のようなもの」が、「ハレルヤ、全能者にして主なるわれらの神は、王なる支配者であられる」というのが聞こえる(黙示録19章6節)。 GCJap 779.2

地は滅亡の火をもって包まれたが、義人は聖都の中に安全にいた。第一の復活にあずかった者たちには、第二の死はなんの力もない。神は悪人たちにとっては焼き尽くす火であるが、神の民にとっては日であり、盾である(黙示録20章6節、詩篇84篇11節参照)。 GCJap 780.1

「わたしはまた、新しい天と新しい地とを見た。先の天と地とは消え去り、海もなくなってしまった」(黙示録21章1節)。悪人たちを焼き尽くす火が地をきよめる。あらゆる災いの跡は一掃される。地獄の火が永遠に燃え続けて、贖われた者たちの前に罪の恐るべき結果をいつまでも示す、などというようなことはないのである。 GCJap 780.2