各時代の大争闘

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後の雨と大いなる叫び

第三天使の使命の宣布に協力する天使は、その栄光で全地を照らすのである。ここに、全世界的で比類のない力を持った働きが予告されている。一八四〇年から四四年に至る再臨運動は、神の力の輝かしいあらわれであった。第一天使の使命は、世界の各伝道地に伝えられた。そしてある国々においては、一六世紀の宗教改革以来どの国にもなかったような大いなる宗教的関心が引き起こされた。しかし、第三天使の最後の警告下における大運動は、これをはるかに超えるものとなるのである。 GCJap 708.1

その働きは、ペンテコステの日の働きに似ている。福音の開始にあたって、貴重な種を発芽させるために、聖霊が注がれて「前の雨」が与えられたように、その終わりにおいて、収穫を実らせるために、「後の雨」が与えられるのである。「この故にわれらエホバをしるべし、切にエホバを知ることを求むべし。エホバはあしたの光のごとく必ずあらわれいで、雨のごとくわれらにのぞみ、後の雨のごとく地をうるおしたもう」(ホセア書6章3節、文語訳)。「シオンの子らよ、あなたがたの神、主によって喜び楽しめ。主はあなたがたを義とするために秋の雨〔前の雨―英語訳。以下同じ〕を賜い、またあなたがたのために豊かに雨を降らせ、前のように、秋の雨〔前の雨〕と春の雨〔後の雨〕とを降らせられる」(ヨエル書2章23節)。「神がこう仰せになる。終りの時には、わたしの霊をすべての人に注ごう」「そのとき、主の名を呼び求める者は、みな救われるであろう」(使徒行伝2章17、21節)。 GCJap 708.2

福音の大いなる働きは、その開始を示した神の力のあらわれより劣るもので終わることはない。福音の開始にあたって秋の雨(前の雨)となって成就した預言は、その終局において、春の雨(後の雨)となって再び成就するのである。これが、使徒ペテロが待望した「慰め〔原文ではrefreshing(活気づけ、回復の意)〕の時」である。彼は次のように言った。「だから、自分の罪をぬぐい去っていただくために、悔い改めて本心に立ちかえりなさい。それは、主のみ前から慰めの時がきて、……イエスを、神がつかわして下さるためである」(使徒行伝3章19、20節)。 GCJap 708.3

神のしもべたちは、きよい献身の喜びに顔を輝かせ、天からの使命を伝えるために、ここかしこと奔走する。全世界の幾千の声によって、警告が発せられる。奇跡が行われ、病人はいやされ、しるしと不思議が信じる者に伴う。サタンもまた、偽りの不思議を行い、人々の前で天から火を降らすことさえする(黙示録13章13節参照)。こうして、地上の住民は、立場を明らかにしなければならなくなる。 GCJap 709.1

使命は、議論によるよりも、神の霊の深い感動によって伝えられる。論拠はすでに示された。種はまかれた。そして今、それが生えて、実を結ぶのである。伝道者によって配布された文書は、その感化を及ぼした。 GCJap 709.2

しかし、感動を受けた人々の多くは、真理を十分に理解して、それに服従することを、妨げられていた。けれども、今、光は至るところにゆきわたり、真理は明らかにされ、神の忠実な子供たちは、彼らを束縛していたかせを断ち切るのである。家族関係、教会関係は、もはや彼らを止める力がない。真理は他の何物よりも尊いのである。諸勢力が力を結集して真理に反対するにもかかわらず、多くの者が主の側に立つのである。 GCJap 709.3