各時代の大争闘
キリストの神性
もう一つの危険な誤りは、キリストの神性を否定する教理である。すなわち、キリストはこの世においでになる前には存在されなかったという主張である。この説は、聖書を信じると表明する多くの者によって信じられている。しかしこれは、救い主が、ご自分と天父との関係について、またご自分の神性と先在について、明言されたことと全く相反するものである。これは、聖書を不当に曲解しなければ受け入れられない説である。これは、贖いの業についての人間の観念を低下させるだけでなく、聖書が神の啓示であるという信仰を危うくするものである。このことによってこの説はいっそう危険なものとなり、これに対抗することはますます困難になる。キリストの神性に関して霊感によって書かれた聖書のあかしを拒むならば、その点についていくら議論しても無駄である。 GCJap 605.3
なぜなら、どんな決定的な議論も、彼らを説得することはできないからである。「生れながらの人は、神の御霊の賜物を受け入れない。それは彼には愚かなものだからである。また、御霊によって判断されるべきであるから、彼はそれを理解することができない」(コリント第一・2章14節)。このような誤った考えをいだいている者は、キリストのご品性とその働き、あるいは人類の贖罪という大計画を、真に理解することはできない。 GCJap 606.1