各時代の大争闘

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悪の勢力の猛威

キリストの精神とサタンの精神との間の敵意は、世がイエスをどのように受け入れたかということにおいて、最も著しくあらわされた。イエスが世の富や華麗さ、威光を持って来られなかったためにユダヤ人が彼を拒んだというのではなかった。彼らは、イエスが、こうした外面的利点の不足を補って余りある力を持っておられるのを見た。しかし、キリストの純潔と聖潔が、不信心な人々の彼に対する憎しみを引き起こした。彼の、克己と罪なき献身の生涯は、高慢で肉欲をほしいままにする人々への、絶えざる譴責であった。神のみ子に対する敵意を引き起こしたのは、これであった。サタンと悪天使たちが悪人たちに加わった。背信の全勢力が、真理の君を倒そうと謀ったのであった。 GCJap 584.1

キリストの弟子たちには、彼らの主にあらわされたのと同じ敵意があらわされる。罪のいとわしい性質を認めて、上からの力によって誘惑に抵抗する者はだれでも、必ずサタンとその部下たちの激怒を引き起こす。真理の純潔な原則への憎しみと、その擁護者たちに対する非難と迫害は、罪と罪人が存在するかぎり続くのである。キリストに従う者たちとサタンのしもべたちは、一致することができない。十字架のつまずきは、なくなってはいない。「いったい、キリスト・イエスにあって信心深く生きようとする者は、みな、迫害を受ける」(テモテ第二・3章12節)。 GCJap 584.2

サタンの部下たちは、彼の指揮のもとに常に活動して、彼の権威を確立し、神の政府に対抗して彼の王国を建設しようとしている。このために、彼らは、キリストに従う人々を欺き、その忠誠を失わせようと誘惑する。彼らは、指導者サタンと同様に、目的を達成するためには聖書を誤解し曲解する。サタンが神を非難しようとしたように、その手下たちも神の民を中傷しようとする。キリストを死刑に処した精神が、悪人たちを動かして、彼に従う人々を滅ぼそうとする。このことは、すべて、「わたしは恨みをおく、おまえと女とのあいだに、おまえのすえと女のすえとの間に」というあの最初の預言に、予表されている。そして、これは終末まで続くのである。 GCJap 584.3