各時代の大争闘

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重大厳粛な真理

不信のユダヤ人たちの状態は、キリスト者と称しながら恵み深い大祭司の働きを故意に知らずにいる、軽率で不信の人々の状態を例示するものである。型としての奉仕において、大祭司が至聖所に入った時、全イスラエルは聖所のまわりに集まり、罪のゆるしを受けて、会衆の中から絶たれることがないようにと、この上なく厳粛な態度で、神の前に心を低くしなければならなかった。贖罪の日の実体である今日、われわれが、われわれの大祭司の働きを理解し、どのような義務がわれわれに要求されているかを知ることは、どんなにか重要なことであろう。 GCJap 494.1

人間は、神が憐れみのうちにお与えになった警告を拒否して無事ではあり得ない。ノアの時代に天からの使命が世に送られた。そして、彼らの救いは、彼らがその使命をどう受けるかにかかっていた。 GCJap 494.2

彼らが警告を拒否したために、神の霊は罪深い人類から退き、彼らは洪水によって滅びた。アブラハムの時代に、恵みは、ソドムの邪悪な住民に訴えることをやめた。そして、ロトと彼の妻と二人の娘のほかは、みな、天から降った火で焼き尽くされた。キリストの時代でもそうであった。神のみ子は、その時代の不信なユダヤ人に、「おまえたちの家は見捨てられてしまう」と言われた(マタイ23章38節)。同じ無限の力のお方は、最後の時代を眺めて、「自分らの救となるべき真理に対する愛を受けいれなかった」者について、「そこで神は、彼らが偽りを信じるように、迷わす力を送り、こうして、真理を信じないで不義を喜んでいたすべての人を、さばくのである」と宣言しておられる(テサロニケ第二・2章10~12節)。彼らが神の言葉の教えを拒否する時に、神はみ霊を取り去って、彼らを、彼らが好む惑わしの中に捨てておかれる。 GCJap 494.3

しかし、キリストは、なおも、人類のためにとりなしておられ、求める者には光が与えられる。このことは、初め再臨信徒には理解されなかったが、彼らの真の立場を確定する聖句が示されるにつれて、後には明瞭になった。 GCJap 495.1

一八四四年の時が過ぎて、その次に、まだ再臨の信仰を持っている人々には、大きな試練の時期が来た。彼らの真の立場を確かめることについて唯一の頼みは、天の聖所に彼らの心を向けた光であった。預言の期間に関するこれまでの計算に対しての信仰を放棄し、再臨運動に伴った聖霊の強力な力を、人間やサタンの力によるものであるとした人々もあった。また、過去の経験は主の導きによるものであると、堅く信じた人々もあった。そして、彼らが、神のみ心を知ろうとして、待ち、見守り、祈った時に、彼らは、彼らの大祭司が、奉仕のもう一つの業を始められたのを知った。そして彼らは、信仰によって彼に従っていき、教会の最後の働きをも知るに至った。彼らは、第一と第二天使の使命を、いっそう明瞭に理解した。そして、黙示録14章の第三天使の厳粛な警告を受けて、それを世に伝えるように準備させられた。 GCJap 495.2