各時代の大争闘
第21章—真理の拒否とその結果
再臨信徒の働き
ウィリアム・ミラーと彼の仲間たちは、キリスト再臨の教義の宣布を通して、審判に対する準備を人々に促すというただ一つの目的のために働いた。彼らは、宗教を信じると公言する者たちに、教会の真の希望と、より深いキリスト者の経験の必要とを自覚させようとした。彼らはまた、悔い改めていない人々に、直ちに悔い改めて神に帰る義務があることを自覚させようとした。「彼らは、宗教上の一派や一団体に人々を改宗させようとはしなかった。それで彼らは、それぞれの組織や規則に干渉することなく、あらゆる団体や教派の中で働いた」 GCJap 430.1
ミラーは、次のように言った。「わたしは、自分のあらゆる活動において、今ある教派を離れて別の派を作ろうとか、あるいは、他を犠牲にしてだれかに利益を与えようとか、そんなことは願いも思いもしなかった。わたしは、すべての人の利益を考えた。キリスト者ならだれでも、キリストの再臨を喜んで期待し、わたしと同じように考えない人でも、この教理を信じる人々を同様に愛するものと考えたので、別の集会を開く必要を感じなかった。わたしの目的とするところは、人々を神に立ち帰らせ、きたるべき審判のことを世界に知らせ、安らかに神にお目にかかる準備をするように、同胞に訴えることであった。わたしの働きによって悔い改めた者の大部分は、既存の種々の教会に加わった」 GCJap 430.2
彼の働きは、教会を盛んにするものであったから、しばらくの間は喜んで迎えられた。しかし、牧師や教会の指導者たちが、再臨の教義に反対することを決めて、その問題に関するいっさいの運動を圧迫するようになると、彼らは説教壇から反対するばかりでなく、教会員が再臨に関する説教を聞くことや、教会の集会においてその希望を語ることさえも拒否した。こうして信徒たちは、非常な試練と苦しい立場に立たされた。 GCJap 431.1
彼らは自分たちの教会を愛しており、それから離れることをきらったが、神の言葉のあかしが圧迫され、預言を研究する権利が拒否されるのを見た時に、神に忠誠を尽くそうとすれば、服従することはできなかった。彼らは、神の言葉のあかしを閉め出そうとする人々を、キリストの教会を構成するもの、「真理の柱であり基礎」をなすものとみなすことはできなかった。そこで彼らは、従来の関係から分離することが正しいと考えた。一八四四年の夏、約五万人が教会から脱会した。 GCJap 431.2