各時代の大争闘

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再臨信徒と聖所問題

キリストの初臨の時に、「天国の福音」を宣べ伝えた弟子たちの経験は、彼の再臨の使命を宣言した人々の経験とよく似ていた。弟子たちが出て行って、「時は満ちた、神の国は近づいた」と宣べ伝えたように、ミラーと彼の仲間は、聖書に示されている最長にして最後の預言的期間がまさに終了しようとしていること、そして、審判の日が近づき、永遠の王国が始まろうとしていることを宣言した。時に関する弟子たちの宣教は、ダニエル書9章の七〇週に基づいていた。ミラーと彼の仲間が伝えた使命は、七〇週を含んだダニエル書8章14節の二三〇〇日の終結を告げるものであった。おのおのが伝えたことは、同じ大預言期間の異なった部分の成就に基づくものであった。 GCJap 403.1

ウィリアム・ミラーと彼の仲間は、初期の弟子たちと同様に、自分たちが伝えているメッセージの意味を、十分に理解してはいなかった。長い間、教会内で確立されてきた誤りのために、彼らは預言の重大な部分を正しく解釈することができなかった。したがって、彼らは、世界に伝えるために神からゆだねられた使命を宣言したけれども、その意味を取り違えて、失望を味わうに至った。 GCJap 403.2

ミラーは、ダニエル書8章14節の「二三〇〇の夕と朝の間である。そして聖所は清められてその正しい状態に復する」という言葉を解釈する際、すでに述べたように、地上が聖所であるという一般の見解を採用し、聖所の清めとは、主の再臨の時に地上が火で清められることであると信じた。したがって、二三〇〇日の終結が明確に預言されているのを見いだした時、これは再臨の時を示しているものであると結論を下した。彼の誤りは、聖所とは何かということに関する一般の見解を受け入れたためであった。 GCJap 404.1

キリストの犠牲と祭司職の影であった、型としての制度において、聖所の清めは、年ごとの奉仕において大祭司が行う最後の務めであった。それは、贖罪の最後の働き、すなわち、イスラエルから罪を取り除くことであった。それは、天の記録に記されている神の民の罪を除く、あるいは消し去るという、天の大祭司の奉仕における最後の働きを予表していた。この務めには、調査の働き、審判の働きが含まれていた。そして、それは、キリストが力と大きな栄光のうちに天の雲に乗って来られる直前に起こる。なぜならば、彼が来られる時には、すべての人の運命は決定しているからである。イエスは、「報いを携えてきて、それぞれのしわざに応じて報いよう」と言われる(黙示録22章12節)。黙示録14章7節の「神をおそれ、神に栄光を帰せよ。神のさばきの時がきたからである」という第一天使の使命の宣言は、再臨直前のこの審判の働きを言ったものである。 GCJap 404.2