各時代の大争闘
第19章—暗黒を照らす真理の光
神の導き
各時代にわたって、地上で行われる神の働きには、どの大改革や宗教運動を見ても、著しい共通性がある。神が人間を扱われる原則は、常に同じである。現代の重要な運動は、過去の運動と類似しており、昔の教会の経験は、われわれの時代に対して大きな価値のある教訓を与えている。 GCJap 394.1
救いの働きを前進させる大運動において、神が聖霊を送って地上にいるご自分のしもべたちを特に指導されるということほど、聖書の中で明白に教えられている真理はほかにない。人間は、神の恵みと憐れみの御目的を遂行するために用いられる、神のみ手の中の器である。おのおのに、その果たすべき役割がある。おのおのに、神が彼に与えられた働きを成し遂げるのに十分な、そしてその時代の必要に応じた光が与えられる。しかし、どんなに天の栄誉を受けた者でも、贖罪の大計画を知り尽くし、彼の時代に対する働きにおける神のみ心を全部悟った人はいなかった。人間は、神が彼らにお与えになる働きによって何を遂行しようとしておられるか、十分に理解することはできない。彼らは、神のみ名によって語る使命をことごとく理解するのではない。 GCJap 394.2
「あなたは神の深い事を窮めることができるか。全能者の限界を窮めることができるか」「わが思いは、あなたがたの思いとは異なり、わが道は、あなたがたの道とは異なっていると主は言われる。天が地よりも高いように、わが道は、あなたがたの道よりも高く、わが思いは、あなたがたの思いよりも高い」「わたしは神である、わたしと等しい者はない。わたしは終りの事を初めから告げ、まだなされない事を昔から告げて言う」(ヨブ記11章7節、イザヤ書55章8、9節、46章9、10節)。 GCJap 395.1
聖霊の特別の光に浴した預言者たちでさえ、自分たちにゆだねられた啓示の意味を、完全に理解してはいなかった。その意味は、神の民が、そこに含まれている教えを必要とするにしたがって、代々にわたって示されるのであった。 GCJap 395.2
ペテロは、福音によって明らかにされた救いについて、次のように書いた。「この救については、あなたがたに対する恵みのことを預言した預言者たちも、たずね求め、かつ、つぶさに調べた。彼らは、自分たちのうちにいますキリストの霊が、キリストの苦難とそれに続く栄光とを、あらかじめあかしした時、それはいつの時、どんな場合をさしたのかを、調べたのである。そして、それらについて調べたのは自分たちのためではなくて、あなたがたのための奉仕であることを示された」(ペテロ第一・1章10~12節)。 GCJap 395.3
預言者たちは、自分たちに啓示されたことを十分に理解できなかったけれども、神が彼らにあらわすことをよしとされた光はみな把握しようと熱心に求めた。彼らは、「たずね求め、かつ、つぶさに調べた」「自分たちのうちにいますキリストの霊が……いつの時、どんな場合をさしたのかを、調べたのである」。こうした預言が神のしもべたちに与えられたのは、新約時代のキリスト者のためであるとは、神の民にとって、なんという教訓であろう。「自分たちのためではなくて、あなたがたのための奉仕であることを示された」。まだ生まれてもいない後世の人々に与えられた啓示を、これら神の聖者たちが「たずね求め、かつ、つぶさに調べた」ことに注目しよう。彼らの聖なる熱心さと、後世の恵まれた人々がこの天の贈り物を扱う無気力な冷淡さとを、比較してみよう。これは、預言は理解できないものであると言って満足しているような、安楽を愛し世俗を愛する無関心さに対しての、なんという譴責であろうか。 GCJap 395.4