各時代の大争闘
預言的期間の起算点
「あなたの民と、あなたの聖なる町については、七〇週が定められています。……それゆえ、エルサレムを建て直せという命令が出てから、メシヤなるひとりの君が来るまで、七週と六二週あることを知り、かつ悟りなさい。その間に、しかも不安な時代に、エルサレムは広場と街路とをもって、建て直されるでしょう。その六二週の後にメシヤは断たれるでしょう。ただし自分のためにではありません。……彼は一週の間多くの者と、堅く契約を結ぶでしょう。そして彼はその週の半ばに、犠牲と供え物とを廃するでしょう」 GCJap 374.2
天使は、ダニエルが8章の幻の中で理解しなかった点、すなわち、「二三〇〇の夕と朝の間である。そして聖所は清められてその正しい状態に復する」という、時に関する言葉を説明するという目的のために、特につかわされたのであった。「このみ言葉を考えて、この幻を悟りなさい」と命じたあとで、天使が最初に語った言葉は、「あなたの民と、あなたの聖なる町については、七〇週が定められています」ということであった。 GCJap 375.1
ここで「定められています」と訳された言葉は、字義的には、「切り取る」という意味である。七〇週、すなわち四九〇年は、特にユダヤ人のために切り取られていると天使は宣言した。しかし、それは、何から切り取られたのであろうか。二三〇〇日がダニエル書8章において述べられている唯一の期間であるから、七〇週が切り取られたのは、それからに違いない。したがって七〇週は、二三〇〇日の一部であり、この二つの期間は、同時に始まるものでなければならない。七〇週は、エルサレムを建て直せという命令が出た時から始まると、天使は言明した。この命令の年代を発見することができるなら、二三〇〇日という長い期間の起算点も確かめることができる。 GCJap 375.2
この命令は、エズラ記の7章に記されている(12~26節参照)。それは紀元前四五七年に、ペルシャ王アルタシャスタによって、最も完全な形で発布された。しかしエズラ記6章14節には、エルサレムにある主の家が、「クロス、ダリヨスおよびペルシャ王アルタシャスタの命によって」建てられたと言われている。 GCJap 375.3
勅令を発し、確認し、完成したこれら三人の王によって、預言が二三〇〇年の起算点として要求していることが成し遂げられた。勅令が完全なものとされた紀元前四五七年を出発点として、七〇週に関する預言はすべて成就されたことがわかった。 GCJap 375.4