各時代の大争闘

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ボヘミア人の忍苦と待望

暴動、闘争、流血が相次いで起こった。ふたたび、外敵がボヘミアに侵入した。そして国内の紛争は、国を混乱に陥れ続けた。福音のために堅く立った者たちは、血なまぐさい迫害にあった。 GC 1645.5

かつての仲間たちはローマと契約を結んで、その誤りを受け入れたので、昔からの信仰を固守する人々は別の教会を組織して、それを「同胞一致教会」〔ボヘミア兄弟団〕と呼んだ。このために彼らは、各方面から悪く言われた。しかし、彼らは堅く立ってゆるがなかった。彼らは森や洞穴に逃れなけれはならなかったが、それでも集まって神のみ言葉を読み、礼拝を共にした。 GC 1645.6

彼らは、ひそかに各国に派遣した使者たちを通じて、ここかしこに、「真理を告白しているものが、この田に数名あの町に数名と孤立しており、彼らと同様 に迫害の対象になっていることを知った。また、アルプスの山の中には、聖書を基礎にした、昔からの教会があって、ローマの偶像的腐敗に抗議しているのを知った。」 25この知らせは非常な喜びをもって迎えられ、ワルド派キリスト教徒との通信が開始された。 GC 1645.7

ボヘミア人は福音を固守して迫害の夜を過ごし、その最も暗黒な時においてもなお、朝を待つ見張りのように、彼らの目を地平線に向けていた。「彼らは不運な境遇にあった。しかし、……彼らは、フスが最初に語り、ヒエロニムスによって繰りかえされた言葉、すなわち、夜明けまでには1世経なければならないという言葉を忘れなかった。この言葉は、タボル派〔フス派の人々〕にとって、奴隷生活をしていたイスラエルの部族に対して『わたしはやがて死にます。神は必ずあなたがたを顧みて、この国から連れ出し(てくださるでしょう)』と言ったヨセフの言葉のようなものであった。」 26「15世紀の末期において、兄弟団の教会は、徐々にではあったが確実に増加していった。彼らは、妨害などがなくなったわけではなかったが、比較的安らかに過ごすことができた。16世紀の初めには、彼らの教会は、ボヘミアとモラビアにおいて200を数えた。」 27「火と剣という破壊的激怒を逃れて、フスが予告した夜明けを見ることを許された残りの者たちは、非常に多かった。」 28 GC 1646.1

[注] GC 1646.2

1 Wylie, b.3, ch.1. GC 1646.3

2 Ibid., b.3, ch.1. GC 1646.4

3 Bonnechose, “The Reformers before the Reformation,” vol.1, p.87. GC 1646.5

4 Wylie, b.3, ch.2. GC 1646.6

5 Bonnechose, vol.1, pp.147, 148. GC 1646.7

6 Iid., vol.l, pp.148, 149. GC 1646.8

7 Iid., vol.l, p.247. GC 1646.9

8 Jacques Lenfant, “History of the Council of Constance” vol.1, p.516. GC 1646.10

9 Bonnechose, vol.2, p.67. GC 1646.11

10 D'Aubigné, b.1, ch.6. GC 1646.12

11 Bonnechose, vol.2, p.84 GC 1646.13

12 Ibid., vol.2, p.86. GC 1646.14

13 Wylie, b.3, ch.7. GC 1646.15

14 Ibid., b.3, ch.7. GC 1646.16

15 Ibid., b.3, ch.7. GC 1646.17

16 Bonnechose, vol.l, p.234. GC 1646.18

17 Ibid., vol.2, p.141. GC 1646.19

18 Ibid., vol.2, pp.146, 147. GC 1646.20

19 Ibid., vol.2, p.151. GC 1646.21

20 Ibid., vol.2, pp.151-153. GC 1646.22

21 Wylie, 6.3, ch.10. GC 1646.23

22 Bounechose, vol.2, p.168. GC 1646.24

23 Wylie, b.3, ch.17. GC 1646.25

24 Ibid., b.3, ch.18. GC 1646.26

25 Ibid., b.3, ch.19. GC 1646.27

26 Ibid. GC 1646.28

27 Ezra Hall Gillett, “Life and Times of John Huss,” vol.2, p.570. GC 1646.29

28 Wylie, 6.3, ch.19. GC 1646.30